胃酸分泌を抑制する薬、H2ブロッカー、ガスター(ファモチジン)など


個々の胃薬についてです。

胃酸分泌を抑制する薬
H2ブロッカー(+制酸剤)
②胃酸分泌抑制成分
胃酸分泌の過多による胃痛、胸やけ、もたれ、むかつき
夜中や空腹時に起こる胃の不調、刺激物など暴飲暴食が原因、食事に関係なく症状が起こるとき服用してください。

H2ブロッカー
ガスター10です。
なんといっても知名度がありますね。成分名は、ファモチジンです。この成分のものは、効果は一緒ですが、値段は少し安いです。1回1錠 1日2回まで 2回目は、8時間以上あける。2週間以上継続されている場合は、めんどくさがらず、ちゃんと病院へ行ってくださいね。

 

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http://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/details/gaster/


取り扱い店舗は少ないですが、ラニチジン塩酸塩、ニザチジン、ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩などあります。
H2ブロッカーの中に、制酸剤が混ざったものもあります。
詳しくは、薬剤師に相談してください。

胃腸薬の選び方 :体質や病歴に考慮した選択の例

少し間隔が開いてしまいましたが、胃腸薬の選び方の続きです。体質や、病歴に考慮した例を記載します。


胃腸薬の選び方

体質や病歴に考慮した選択の例

 

便秘がちである
・アルミニウムやカルシウムを含有する薬を避ける
マグネシウムを含有する薬を選ぶ

 

 

下痢しやすい
マグネシウムを含有する薬を避ける
・アルミニウムやカルシウムを含有する薬を選ぶ

 


塩分摂取を控えている
・常備薬としては炭酸水素ナトリウムが配合されていない薬(ナトリウムフリー)タイプを選ぶ

 

 

心疾患や高血圧を治療中である
カンゾウ1g/日、グリチルリチン40mg/日、抗コリン薬、ロートエキスが配合されているものは避ける

 

 

大量の牛乳、乳製品をとる習慣がある
・常備薬としては、マグネシウム、カルシウムを配合するものを避ける

 

 

ビニールハウスの中など、高い温度の環境で過ごす人、働く人
・抗コリン成分は発汗を抑制するために避ける

 

 

水なしで飲めるタイプが良い方へ
・チュアブルタイプを勧める

 

 

まとめ
顧客の情報から適切な胃腸薬を選べるとよいですね。

いよいよ次回から個々胃腸薬について書いていきます。

胃痛、胃部不快感の症状による選択〜急性のキリキリとした胃の痛みには、胃腸鎮痛鎮痙薬を!

胃痛、胃部不快感の症状による選択

①胃の痛み
急性のキリキリした胃の痛み、腹痛
→胃腸の過剰な動き(けいれん)
➡︎胃腸鎮痛鎮痙薬

 

急性の強い痛み+吐き気
→胃腸の過剰な動き(けいれん)
➡︎局所麻酔成分を配合する胃腸鎮痛鎮痙薬

 

急性、慢性の軽い痛み
→胃酸過多
➡︎制酸成分、胃粘膜保護成分

 

急性、慢性の中等度〜」や強い痛み
→胃酸過多
➡︎H2ブロッカー、胃酸分泌抑制成分

 

ストレスと関連した胃の痛み、神経性胃炎
→胃酸過多
➡︎安中酸配合の胃腸薬


②胃もたれ、胸焼け
・空腹時に胃もたれ、胸やけが起こり、食事をすると軽減する
・喫煙、カフェインの過剰摂取後
・香辛料など刺激のある食事の後
→胃酸過多
➡︎制酸成分、H2ブロッカー、胃液分泌抑制成分、胃粘膜保護成分

 

食べすぎた後
→消化不良
➡︎健胃成分、消化成分
☆胃酸過多が同時に起きているときは制酸成分も選択する

 

食べすぎでもないのに胃が終始もたれる
→蠕動運動低下
➡︎健胃成分、胃腸運動機能調整成分
☆胃酸過多が同時に起きているときは制酸成分も選択する

 

③食欲不振
→機能低下
➡︎健胃成分、消化成分、胃腸運動機能調整成分

 

 

④悪心・嘔吐、むかつき
アルコールの飲みすぎ
→悪酔い、二日酔い
➡︎健胃成分、基本的には水分を補給しながら自然によくなるのを待つ

 

乗り物酔い
➡︎乗り物酔いの予防薬


胃の症状から、自分で薬を選べたらいいですね。
今日もありがとうございます(^^)

胃腸薬の選び方

こんにちは
胃薬を選択するときのポイントは、服用する人の胃の不調が、胃酸の分泌亢進(胃酸過多)で起こっているのか、胃腸機能低下(消化不良、蠕動運動低下)で起こっているのかを見極めることです。

・機能亢進(胃酸過多)→制酸成分、H2ブロッカー、胃酸分泌抑制成分、胃粘膜保護成分を選択

症状:胃の痛み、胸やけ、むかつきなど
原因:ストレス、タバコ、暴飲暴食(特にコーヒー、アルコール、香辛料の強いものなど、刺激のある飲食物)

 

・機能低下(消化不良、蠕動運動低下)→総合胃腸薬、健胃成分、消化成分、胃腸運動機能調整成分を選択

症状:食欲不振、もたれ、膨満感、むかつきなど
原因:加齢、ストレス、甘いもの・脂肪の多い食物とりすぎ

 

今日は、ここまでです。

 

胃腸鎮痛鎮痙成分、局所麻酔成分について ロートエキスは、他の抗コリン成分と比べて中枢に移行するので副作用に注意する。

こんにちは。
何度も出てきているのて、覚えてきているかもしれませんが、今日は、胃腸鎮痛鎮痙成分、局所麻酔成分についてです。

胃腸鎮痛鎮痙成分、局所麻酔成分
抗コリン作用をもつ成分には、
アルカロイド成分のロートエキスと②抗コリン成分があります。

アルカロイド成分
ロートエキス
特徴
抗コリン作用により、胃酸の分泌や胃腸運動を抑制することで鎮痙作用を示す。授乳中は服用しない(母乳中に移行し、乳児が頻脈を起こしたという報告がある)。
抗コリン作用による副作用に注意が必要である。
発汗が抑制されるため、サウナやビニルハウス内など高温環境下での仕事や生活をする場合は服用しない。
抗コリン作用の副作用
唾液分泌抑制による口渇、排尿困難、発汗抑制、眼圧上昇、心拍数増加、頻脈、心悸亢進、血圧上昇などの副作用がある。


②抗コリン成分
ブチルスコポラミン臭化物
メチルベナクチジウム塩酸塩
メチルオクタトロピン臭化物
ジサイクロミン塩酸塩
オキシフェンサイクリミン塩酸塩

特徴
ロートエキスに比べると中枢への移行が少なく、副作用は少ない。念のため抗コリン作用による副作用に注意する。

 

抗コリン作用を、もつ成分次は、③鎮痙成分④局所麻酔成分です。


③鎮痙成分
パパベリン塩酸塩

特徴
選択的に胃酸分泌に関与するムスカリンM1受容体を阻害するため、便秘、散瞳、排尿困難、頻脈などが起こりにくい。

 

④局所麻酔成分(ストロカイン)、安息香酸エキス

特徴
直接消化管粘膜を麻酔し痛みを和らげたり、吐き気を抑える作用がある。噛み砕いて服用すると口の中にしびれ感をおこすため、噛み砕かないでのむように説明が必要である

まとめ
ロートエキスは、他の抗コリン成分と比べて中枢に移行するので副作用に注意する。夏場など発汗抑制に注意です。

今日もありがとうございます(^^)

 

胃運動機能調整成分(トリメブチンマレイン酸塩)、胃液分泌抑制成分(ピレンゼピン塩酸塩水和物、ロートエキス)

こんにちは。

今日は、2点についてです。

・胃運動機能調整成分(トリメブチンマレイン酸塩)

・胃液分泌抑制成分(ピレンゼピン塩酸塩水和物、ロートエキス)

 

 

胃運動機能調整成分(トリメブチンマレイン酸塩)
胃の蠕動運動とは、胃周辺の筋肉の収縮によって生じたくびれが波のように徐々に伝わっていく運動のことです。胃では、食物に胃酸・ペプシンを、混ぜて撹拌し、粥状にして十二指腸へ送る働きをしています。、通常、食事を摂ってから胃が空腹の状態になるまでは、4時間ほどかかりますが、加齢などによって胃が弱ってくると蠕動運動が低下し、消化にも時間がかかるようになります。その結果、胃もたれや胸やけなどを感じるようになります。胃腸運動機能調整薬は、そのような胃内容物の排出異常を改善する作用があります。
オピアド作動薬である「トリメブチンマレイン酸塩(医療用セレキノン)は、消化管平滑筋に直接作用し、食道から大腸までの消化管運動異常を改善します。また、消化管運動が過剰亢進しているときは、その運動を抑制し、運動が低下しているときは促進させるため、腹部膨満感などの消化器症状から下痢、便秘などの便通異常まで幅広い範囲の症状を改善します。


胃液分泌抑制成分(ピレンゼピン塩酸塩水和物、ロートエキス)
副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑えるる作用による過剰な胃液の分泌を抑えることを期待して、ピレンゼピン塩酸塩水和物は、ムスカリンM1受容体を選択的に拮抗するため、胃腸運動にほとんど影響を与えずに胃液分泌抑制作用を示します。しかし、消化管以外では一般的な亢コリン作用が、あるため、排尿困難、緑内障の、症状悪化に注意し、また乗物・機械類の運動操作を避ける必要があります。

まとめ
・胃運動機能調整成分(トリメブチンマレイン酸塩)は、腹部膨満感から下痢でも便秘でも使える

・ピレンゼピン塩酸塩水和物は、ムスカリンM1受容体を選択的に阻害する。消化管運動には、影響せず、胃液分泌抑制作用がある。排尿困難、緑内障、車の運転など注意すべき点もある。

今日もありがとうございます(^^)

胃粘膜修復保護成分 メチルメチオニンスルホニウムクロリドは、別名ビタミンU(キャベジン)と呼ばれる

今日は、胃粘膜修復保護成分についてです。

 

銅クロロフィリン塩(メサフィリン)

胃部不快感や2日酔いのむかつき、口臭予防に用いられる。ペプシン活性抑制作用と胃粘膜の組織を再生する作用がある。便が緑色になる。

 

スクラルファート(アルサルミン)

潰瘍部分の保護作用に優れ、消化性潰瘍に対して、H2ブロッカー薬や制酸成分と同等の効果が認められている。アルミニウムを、含むため、透析患者には、投与禁忌。食べ物があると蛋白質と反応して保護層が形成できないため、食前または空腹時に、服用。

 

セトラキサート塩酸塩(ノイエル)

胃粘膜の平滑筋を直接弛緩させ、胃蠕動運動の抑制、胃粘膜血流量の増加、胃粘膜病変時の胃粘膜微小循環を、改善する作用がある。

体内で、トラネキサム酸になるため、血栓症の人は避ける。

 

テプレノン(セルベックス)

胃粘膜の合成、粘液分泌促進作用があり、胃粘膜を保護する。空腹時は吸収が低下するため食後服用。肝機能障害、黄疸の副作用あり。

 

アルジオキサ(イサロン)

胃の粘膜の組織を修復させる作用が優れている。その他、胃粘膜に付着して保護する作用、抗ペプシン効果がある。アルミニウムを含むため、透析患者には投与禁忌。

 

アズレンスルホン酸ナトリウム(マーズレンS)

炎症部分の治癒を促進する効果、抗ペプシン効果がある。

 

メチルメチオニンスルホニウムクロリド(キャベジンコーワ)

別名ビタミンU(キャベジン)と呼ばれる。

動物実験で腎血流増加、胃液分泌抑制、胃運動の抑制、胃粘膜変性防止作用などが認められている。

 

今日は、少し短いですが、きりがいいのでここまでです。