胃腸薬に配合される成分の特徴

今年もよろしくお願いします。

 

今日は、胃腸薬に配合される成分の特徴について書きます。お正月は、たくさん食べてしまうので、消化成分から書きます。

 

消化成分

消化不良や消化吸収障害の改善を、目的として、胃腸障害に対する対処療法に用いられます。

 

炭水化物分解酵素  

ジアスターゼ、タカヂアスターゼ、ビオヂアスターゼ

 

蛋白分解酵素

プロナーゼ、含糖ペプシン

 

脂肪分解酵素

リパーゼ

 

利胆薬(脂肪分解)

ウルソデオキシコール酸(肝機能改善作用あり)

 

消化成分+制酸成分の理由

総合胃腸薬などには消化成分と制酸成分という一見その作用が相反すると思われる成分が同時に配合されていますがそれはなぜでしょうか。

消化酵素には消化作用を発揮できるphがあります。総合健胃薬では、配合されている消化酵素成分が強すぎる酸(胃酸)で活性を失ってしまわないように制酸成分が加えられています。

制酸成分が過剰な酸を抑えると同時に胃酸を中和するので、消化成分は活性を失うことなくその効果を発揮できるのです。

 

次は、H2ブロッカーです。

OTC医薬品では、胃酸の過剰分泌が関係していると思われる「胃痛、胸やけ、もたれ、むかつき」にのみ適応が認められ、用量は医療用に比べて少なめに設定されています。

 

ニザチジン(アシノンZ)は、消化管運動促進作用あり

 

ロキサチジン酢酸エステル塩酸(アルタットA、イノセアワンブロック)は、胃粘膜分泌増加作用あり

 

健胃成分

生薬成分特有の味や香りで、上腹部の不定愁訴である食欲不振、胃部不快感、胃もたれ、悪心・嘔吐などを改善します。苦味、辛味の刺激で作用するものをそれぞれ苦味健胃成分、香りで刺激するものを芳香健胃成分といいます。

 

服用法の注意!

芳香健胃成分は、その香りが有効成分です。オブラートに包んで飲まないよう説明が必要です。

 

苦味健胃成分

センブリ      制酸作用

ニガキ        殺菌作用

キナ           解熱作用

オウバク    整腸作用

ホミカ      鎮痛作用、排毒作用

 

芳香健胃薬

ケイヒ      食欲不振改善

ショウキョウ 鎮痛消炎作用

ウイキョウ   去痰作用

ハッカ油   駆風作用

トウヒ   鎮痙作用

チョウジ    鎮痛鎮痙作用、局所麻酔作用

                    抗炎症作用

コンズランゴ   食欲不振改善


今日は、ここまでです。

明日は、制酸成分についてです。